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マルワのコンクール

いったいいつからマルワのコンクールの審査員に

参加させていただいているのだろうと、

昔の手帳をゴソゴソ見てみると、

どうも、2007年からみたいだ。

すんごい長い年月、参加させていただいているんだと、

ちょっと驚き。



さて今回は、1月27日の第2次予選を経て

3月2日(土)に本選が行われた。

審査させていただいている、この12年の間に、

フラメンコ舞踊の流行が大きく変わり、

そして年々、出演者達の技術的なレベルが大幅にアップし

ネットの進化により、日本で常にスペインの、

今のフラメンコの映像を見れ、

常にフラメンコの最新情報を簡単に入手でき、

スペイン人アーティストが次々と来日してクルシージョをし、

日本からも簡単にスペインに短期で行けるなど、

日本なのかスペインなのか、ようわからん美味しい環境が

出来上がっているので、

昔と格段の差で、全てのレベルが上がっているのが顕著に見える。



さて、今回の優勝者である、中原潤くん。

予選のアレグリアスは、審査員一同、審査を忘れて

見入ってしまうほどの、本当に素晴らしい踊り!

本選のソレアも素晴らしかった。

まず、彼の何が審査の目を引いたかというと、

正確で正しい訓練による舞踊技術をしっかり身に付けている事。

それにより、身体の伸びやかさも増して

確かな技術と共に、

劇場の舞台という大きな空間を、

見事に使いこなせている。

ブエルタも身体のどの動きも、心地良くキレがありリンピオ。

足音も実にリンピオ。

ここまでは、視覚・聴覚点での感想。

そして肝心なフラメンコの審査部分では、

確かなコンパス感で運びながら

フラメンコを本当に感じているのが

緩急をつけたとても良い振付の中で、

それが動き、足音、そして表情を通して

全て自然に出ているのを感じられる。

そして、スペイン人アーティストの、誰のコピーもせず、

彼の個性として成立しているのが良い。

審査で参加したミラグロス・メンヒバルも、

セビージャから来日した、フラメンコに深く関わっている

マヌエルさんも、「文句なしに彼が一番!」と。



日本で、中原くんのような、舞台をこなせるフラメンコの

男性フラメンコ舞踊手は非常に少ないので、

とても貴重な存在だと思う。

一つ、彼の良くなかったことは、本選で身に付けていた、

シルバーの、驚くほどぶっとい faja(腰に巻く布)。

あれがなければ、もっとスラリ&スキッとした

身体に見えたのに~!

とにかくこれからも、どんどんフラメンコを勉強して

スペインの舞台でも活躍できるアーティストを目指してほしい。




本選で闘った、他の9名の踊り手の皆さん全員、

本当に大健闘でした。

総評として、

コンクールの舞台、という根本的な知識のもとに、

振付けと構成を考えての踊りの準備が足りなかった事。

それをタブラオで踊ったらバッチリだけど、

今ここは、コンクールという劇場の舞台ですよ、

と、何度も思ってしまった。

その点、第2位になった谷口祐子さんは、

それをしっかりとこなしていた。

実は、彼女は審査員であった石井智子さんの生徒さんで、

それは審査員の全員が知らず、

智子ちゃんもそれに関して誰にも何も言わず、

谷口さんの審査には加わっていない事が後になってわかった。

それを知らない私は、

谷口さんの技術は正確で良いと思ったけれど、

彼女の、作り笑顔に見えてしまう表情が

ど~しても気になって(谷口さんゴメンね!)

智子ちゃんに、それを遠慮なく言ってしまった。

智子ちゃんも、「そうでしょそうでしょ!」と

強く同感してくれたのだけど、

後で、生徒さんと聞いて平謝り!

でも、ミラグロスが、谷口さんの表情がとても自然で

「2番目に彼女がイイ!セビージャに彼女が来たら

私が指導してあげる!」と強く推した。



表情の話で言うと、

ソレアを踊った大久保晴菜さんと

タラントを踊った藤井里枝さんが、

せっかくしっかり踊っていたのに

ソレアとタラントのカンテに対して、

なぜ時々笑顔で踊るのか、とても気になった。

口を食いしばった時に、笑顔に見えてしまうのか、

もし私の誤解だったら申し訳ないので、

気にしないようにしたのだけど、

同じ意見の審査員が何人かいらしたので

やはりそう見えたんだと思ったけど。。。

ソレア、タラントのカンテに集中して、

そのカンテの奥底にある意味や背景、

そして今、バックで必死に歌ってくれている

カンテを、心で感じているのなら、

笑顔は出しにくいと思う。

だから、とても表面的な踊りに見えてしまった。

BGM的に聞いて、”振付” を踊っているなと。

でも、もしご本人たちが笑顔のつもりは

一切なかったとしたら本当にごめんなさい!

笑顔が原因で入賞を逃したわけではなく、

やはり、詰め込み過ぎの踊り が理由。



松田知也くんは、彼の独自の世界を持ち、

舞台空間をこなし、とても良かったのだけど、

タラントで白のタキシードのような衣装と、

少し劇的な振付で、フラメンコのタラントを

感じられなかったのが残念だった。



最後に、海外留学賞を獲得した

小さくて可愛い伊藤笑苗さん。

まだまだ伸びしろのある高い身体能力があり、

何よりも「若さ」!

若いんだから、スペインでしっかり勉強してほしい

という、審査員一同の意見。

ただ、本番で歌われたファルーカの歌は、

マルワのコンクールの決選では考えもの。

歌われた方のお人柄は絶対に良い方だと思うのだけど、

フラメンコをあのように歌ってはいけない。

コンクールに参加しているのは

踊り手だけでなく、歌い手とギタリストも同じチームだし、

何よりも、踊り手がどれだけ、カンテとギターに対して

感じ、応えるか、がフラメンコの原点であり、

そこも審査の大きなポイントなので、

良く考慮して選ぶべきだと思う。



お一人ずつの意見を書いたら、エラく長くなるので

特徴だけ選んで書きました。

とにかく、今回入賞に選ばれなかったって、

これからもどんどんチャレンジしたらといいと思う。

マルワのコンクールでは、これだけの山を乗り越えて

本選に進むんだもの。

どれだけの勉強と経験が、

目に見えないところで自分の大きな財産となるか。

こんな貴重なコンクールに、参加するだけでも

大きな意義があると思う。

皆様、本当にお疲れ様でした!

                     3月4日







 



















by amicielo33 | 2019-03-04 18:15  

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