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プレステージの佐野和子さん

今年もあとわずか。。。

大晦日に泣きそうになって年賀状を書くのが毎年の恒例行事なので、

今年こそは早めに書くぞ!と決意し、昨日、年賀状の鬼と化して

12時間スタジオにこもって書き上げた。


1枚1枚わりと多くのお礼やメッセージを書き込むので、だんだんと

手も指も震え、首と頭が激痛になり、意識も朦朧とし始めた。


       (@_@) 

   (+_+)       (*_*;

        (@_@;)                            



まぁそんなことはどーでもよく、

今年中に書いておきたかった「プレステージの佐野さん」について書こうと思う。



 




佐野和子さん。

水道橋にある、プレステージというフラメンコスタジオのオーナーだった。

もう2ヵ月経ったのでご存知の方も多いと思うけれど、惜しくも10月に亡くなられた。


佐野さんは、本当にフラメンコが大好きで、いつもいつもフラメンコの事を考えていらして、

そして我々アーティスト達をとっても可愛がって大切にしてくださった。

プレステージのライブでも、佐野さんが毎年企画してくださった前進座での大きな舞台でも、

私達アーティストのため、そしてステージを見に来てくださったお客さんのためにと、

どこもかしこも佐野さんの心遣い、気遣い、思いやり、温かさにあふれていた。


だから、私たちも自然と “佐野さんのために” という気持ちがいつもあり、

何としても、佐野さんが希望なさることに、全力で協力したいといつも思っていた。



リハーサルや打ち上げの時に、よく佐野さんが将来の希望をそっと話してくださった。

「アミさん、私ね、日本でもスペインに劣らないフラメンコができると思うの。

 だから、いいアーティストを集めて、いい舞台をこれからどんどん作って、

 日本のフラメンコのレベルを上げていきたいの。だから協力してしてくださいね。」


06~08年と企画してくださった「プレステージ テアトロライブ」(前進座劇場)での舞台は

私にとっても一生忘れられない舞台だった。


07年の本番の後、あまりの自分の下手さに死ぬほど嫌気がさして、

でも、その気持ちを抑えて「打ち上げ」に参加。

帰宅してから、我慢していた自分への嫌さと下手さに、嗚咽して泣いたのも、

このプレステージ テアトロライブでの忘れられない思い出だっけ。。。


しかし、大好きだった佐野さんが、2009年に病で倒れ、病後の状態が悪いので

もう佐野さんの復帰は無理かもしれない、そして、もう二度とお会いできないかもしれない

という悲しい噂が回り始めていた時に、突然連絡をくださって、

プレステージのスタジオで面会したいとおっしゃってくれた。


広いスタジオの真ん中に、面接のようにテーブルが準備してあった。

そこで待っていると、杖をついてゆっくりと佐野さんが入っていらした。

少し麻痺が入っていたので、お顔に表情は少なかったけれど、その時にも


「アミさん、私はまた復帰して頑張りたいの。

 日本のフラメンコ界のために、これからも舞台を企画していきたいの。

 だからこれからも、ここ、プレステージでも踊ってくださいね。

 テアトロライブの舞台でも踊ってくださいね。

 私、がんばるから協力してね。」

これが、佐野さんと交わした最後の言葉だった。


こうして、2ヵ月前の10月に、ご家族の方から佐野さんの訃報をお聞きした。

佐野さんへの心からの感謝の気持ちを、残念ながらご本人には直接伝えられなかったので、

何としてもご家族の方にはお伝えしたい!と強く思い、手紙を書くことにした。


クラスが終わって、事務所で夢中で書いていたので、もう夜中過ぎの時間だった。

無心の状態で、そして全身全霊で、佐野さんを思い出して手紙を書いていた。

「そうだ、1回だけスタジオでお会いした時の事もご家族にご報告しよう」

と思って、書こうとしたのだけど、そのお会いした日が、何年前の何月何日だったのか、

毎日、超ゴチャゴチャで生きている私は、全く思い出す事が出来なかった。


「仕方ない。昔の手帳を全部取り出して、片っ端から調べていこう」と決意して、

本棚の奥にしまってあった、ここ何年かの4~5冊の手帳をとりあえず、わしづかみにした。

一度に取り出したので、手からあふれて何冊もバサバサッと落ち、

そうしてたまたま、1冊の手帳がフッと手元に残った。


そうすると、、、私が開くでもなく、フワ~ッと不思議な空間を、掌の手帳に感じ、

そしてその手帳が、ゆっくりと開いた。

両ページ真っ黒になるくらい書き込まれている中、一箇所だけ、3D画面で飛び出すように

スーッと私の目の中に入ってきた。 そこには、

「2010年1月15日(金) 14:30 佐野さんについに会える!!」と書き込まれてあった。




あまりの偶然に、「ええええええ~~~~~っ!」っと叫んで、一瞬、心も体も止まって、

      どうしてこのページが1発で開いたの???

      どうしてこの手帳が手に乗ったの???

と、パニックを起こしたのだけど、直ぐに、佐野さんの言葉が全身で感じられた。


 
  「アミさん、いつも忙しいのに、私と会った時を探したてたら時間の浪費でしょ。

   ほら、ここ、この日に会ったのよ。」


        
         わぁ~~~、佐野さん、ありがとうございます!!!


私は事務所で、思い切り大きな声で、見えない佐野さんにお礼を叫んだ。



そう。もうお姿は見えないけれど、やっぱり佐野さんは佐野さんだぁ。

今でも、以前と変わらず、気を遣ってくださる。

だから、これからもステージに立つ度に、佐野さんが(天国でお暇の時に)

見に来てくださると思うので、佐野さんが喜んでくださるフラメンコを、

佐野さんの魂に届くフラメンコを踊ろうと思う。


     佐野さん、本当にありがとうございました。

     今でも、そしてこれからも、感謝の気持ちは決して忘れません。

     佐野さん、私の魂が届くように頑張って踊るのでキャッチしてください。



                            12月29日

by amicielo33 | 2012-12-29 20:52  

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