<   2013年 09月 ( 6 )   > この月の画像一覧

 

        カンテって・・・

昨日は、歌い手のダビが、娘からまわってきたカゼ菌により高熱を出してダウン。

あれだけ青白い顔色だったから熱を出すだろうなと思ってたら、

思ってた以上に重症になったので、昨日はダビ抜きで打ち合わせ。



そして今日は、”ありとあらゆる薬を飲んできたから熱は下がったけど、

相変わらず具合が悪い。 でもアミが明日帰るから何としても来たよ”

と、わざわざへレスから頑張って来てくれた。


具合が悪いにもかかわらず、打ち合わせが始まったら、

まぁまぁ、そんなにコーフンしないで落ち着いてくださいマシ、と言いたいくらい

目と全身から、ギラギラのエネルギーを発しながら、

次々と彼のアイディアを出して、説明してくれて、

”ちゃんと歌えなくてゴメンね”と言いながら、(病気なので)か弱いかすれた声だけど、

鳥肌が立つようなカンテを次々と歌ってくれる。

そして、一つ一つのカンテの、外人にはわからないカンテに含まれた深い意味を

細かく説明してくれて、そのカンテに思わず胸と胃袋をギュンギュン締め付けられる。

改めて、カンテの凄さに、思わず後ずさりするような感動をする。




今度の私のリサイタルのテーマだけど、

生きていること、そして”幸せ”、というものを感じられることって、

実は、人間にとって一番「尊い」時であることを、

改めて感じて、そして考えてほしいと思ったのが発端だった。



というのは、私の大切な生徒達や仲間達が、彼女たちを取り巻く環境で起きた

様々な障害や事故により、精神的に激しい衝撃を受け、傷付けられ、

中には生死の間をさまようほどの想像を絶する辛い日々を過ごしている生の声も

たくさん聞かせてもらってきた。


このような壮絶な心の苦しみは、苦しんでいる本人が相当な勇気をもって

心を開いて話してくれないと、決して、外からはわからない。

そして、話しを聞かせてもらった時、血の気が引くほどの衝撃を受ける。

彼女たちは、毎日毎日、何か月も、何年も苦しみと闘い続けている。


そして彼女たちから社会に視線を広げてみると、世の中にどれほど辛い思いを

している人が多い事に、新たに驚かされる。

大震災の被害者も、福島の原発による被害者も、今まで普通に生活を送っていたのに、

突然の事故により、全てを失ったそれからの苦しみはどれほどのものだろう。



家族も、友達とも話すことができなくて、激しい孤独の世界をさまよい続け、

そうして自己破壊につながり、極悪の犯罪に至ることがある。

もちろんそれは決して許されるものではないけれど、

世の中の全ての人が自分から背をむけていると思い、恐怖と同等の孤独を

感じて苦しんでいる心を想像するだけで、どれほど辛い事かと、胸が締め付けられる。



しかし、犯罪に向かない限り、人はどんな心の状態にいても、

実に強い精神力で、前へ、前へと向かって進もうとする。

もちろん、何度も挫折して、地獄の苦しみを繰り返しながらも、それでも

いつか手にすることのできる「幸せ」に向かって、

這いながら、前へ進もうと、今の自分と闘い続ける。



そんな、苦しんている私の大切な人たちを見てきて、「生きる」ことについて、

実に様々な角度から考えさせられた。

言葉は悪いけれど、生きる意味を勉強させてもらっている。。。



私はそういう苦しんでいる人たちを助けることは出来ない。

完全に無力の存在だ。

話しを聞かせてもらって、心に入って、苦しみを同じに感じる事しか出来ない。

 
『私に出来ることは?』

この言葉を何年も前から自分に問いている。

そうして、やっと見えてきたことが、

人生と、人生の深い苦しみと深い喜びを表現して、

心に訴えかけるフラメンコだからこそ、

幸運にもフラメンコに接している自分に出来ることがあるのではないか?

ということだった。

舞台の状況にもよるけれど、こうして数年前から、

私の創作の作品として、「人の心」のテーマを入れ続けているのだ。



今の世の中、事件や悲惨な事故に対して、その瞬間は気の毒に思っても、

日々起こる惨事で、すぐに忘れてしまい、鈍感になっていることがある。

鈍感な感性になっている事で、人の痛みを共感できなくなり、大きな幸せも

小さな幸せにしか捉えられなくなっていることもある。



未熟な私が、実に偉そうに言って申し訳ないのだけど、

幸せを感じることの出来る瞬間が、どれほどありがたくて、尊いことか、

この舞台で改めて感じてほしいと思っている。

そして、苦しんでいる人たちが、どれほど辛く、孤独で、出口が見えない中で

もがきながらも前に向かって闘っているか、舞台で観てくださるみなさんに

「同感・共感」してほしいと思っている。

どこまで、力不足な私が伝えることが出来るかわからない。



しかし、リサイタルではすべての時間を作品に使えるし、そして私を理解して、

私に協力してくれる仲間たちに支えてもらって創ることができる。

心を震わすギターの音と、「心」を共に感じて共に踊ってくれる群舞のみんなと、

何よりも、今日こうして書いた内容を舞台の進行に沿って、一つ一つ選んでくれた

胸を締め付けられるような【カンテ】を歌ってくれる。



本当に微力ではあるけれど、、、

どうぞ、この舞台が、苦しんでいる人たちの心に届きますように。。。




今日の、日本時間の夜中にセビージャを出発します。

1週間だったけど、実に、価値のある時を過ごしました。

また、書ける時に書きます。

今はスペイン時間で夜中の3時過ぎちゃたので、寝ます!


                                9月28日
[PR]

by amicielo33 | 2013-09-28 10:31  

  時間があると思ったのに

セビージャでは、思い切りリサイタルの事だけに集中して、

それ以外は時間がたっぷりとあると思ってた。


が、、、、、それなのに、、、、、ああ、それなのに、、

結局、スタジオに午前中から夕方までこもっているので、自由時間は少ない。

まぁそのために来たので仕方ないけど。



それより、セビージャらしい事が毎日たくさん起きるので可笑しくてたまらない。

2日前から、ギタリストのアントニオの家のスタジオで練習と打ち合わせをしている。

彼は、セビージャから30分離れている町に住んでいる。

東京で言えば、新宿と吉祥寺くらいの感じ。

セビージャ近郊へ向かう大きなバスステーションみたいな所から

バスに25分くらい乗って行かなくてはいけない。


私は、昔よく彼の家で練習していたのだけど、昔から大きく町の様子が変わって、

降りる停留所がわからないので、アントニオにどこで降りればいいか聞いた。



アントニオは、「アミ、バスの運転手に、『○○○○の地域で降りるから、

その付近に来たら教えてください』、と言っておけば大丈夫だよ。

大きな目印として、バーガーキングがあるから、それが見えたら

降りるブザーを鳴らせばいいから」 と、教えてくれた。


次の日、大きなバスステーションに行って、さっそくバスに乗り込み、

バスの運転手にお金を払いながら、昨日アントニオに言われたように、

「○○○○の地域で降りるから、その辺りで教えてください」と、

運転手のオッちゃんにキチンと伝えた。

そしたら、オッちゃんは、


   う~~~~~ん、、、、  と、うなり


  『 そんな場所は、わからん 』   と、言い放つ。



おいおい、それでは私は困るのだよ。

んじゃぁ、「バーガーキングが目印だって、友達が言ってたけど、、、」と言うと、

運転手のオッちゃんは、


   う~~~~~ん、、、、  と、うなり


   『 まっっったくわからん 』   と、気持ちいいくらい言い切った。



ここまで、言い切られると、思わずこっちも、


   あ っ そ・・・・        となる。



このオヤジは、東洋人へのイジワルで言ってるのはないのはわかるので、

ま、イイヤ、どーにかなるか、と思い、仕方なくバスに乗り込んだ。

乗客は少なく、私以外3人しかいない。

そこに、スペイン人のオバちゃんが乗り込み、

ドコソコに行きたいので、その辺りに来たら教えてほしい、と言う。



するとその運転手のオッちゃんは再び、


    う~~~~~~ん、  と、うなり、


    『 そんなところ、聞いたこともない 』   



と、美しくも実に正直な言葉を吐いた。

こういう時は、スペイン人のオバちゃんは絶対に喰いついてくる。

機関銃のように、ダダダダダダダダ!と、降りたい場所についての

ありとあらゆる情報を運転手のオッちゃんに撃ち放つ。



すると、じっと機関銃言葉を聞いていたオッちゃん運転手は、


     『 どんなに言っても、ワシはそんな場所はわからん 』  


とピシャリと言い、


      『 後ろに座っている乗客が知っているから聞け 』   


と、話しのコンパスを気持ちよく閉めた。 オレー!


私はエラく受けてしまって、ブハハハと笑ってしまった。

機関銃オバハンは、鼻の穴を膨らませてバスにドカドカ乗り込み、

当然、私にも、「この場所知ってる?!」と聞いてきた。

私だって、何もわからず乗り込んだのだよ。

あ~可笑しい。

その後、アントニオに聞いていたバーガーキングを見つけ、無事に降りることができた。



まだたくさん他にあるけど、また書くことにして、

昨日から歌い手のダビ・ラゴスも参加してくれている。

しかし彼は、彼の子供→奥さん→ダビへとまわってきたバイ菌にやられた、と言って、

実に悪い顔色でへレスから来てくれた。

ダビは10月に日本で開催されるフラメンコフェスティバルで、

ベレン・マジャとイスラエル・ガルバンの歌を歌うので、

昨日もベレンとの練習があったけど、自分の具合も悪いし、

私の滞在日数も少ないので、ベレンとの練習を断ってわざわざ来てくれた。

申し訳ない!



アントニオもそうだけど、ダビ・ラゴスは(私のリサイタルで何度も彼に歌ってもらっている)

最初に、私のやりたい事、作品内容、意図を、よーーーーーーく聞いてくれる。

それから、私が考えている流れや、動き、作品構成を、よーーーーーーく聞いてくれる。

こうして全体の作品の意味、意図、流れ、目的を完全に把握してから、

今度は、彼の意見とアイディアを次々と話してくれる。

具体的なリズム構成、候補となるカンテ、曲のテンポ感など、

私のアイディアを、20倍にも30倍にも膨らませてくれる。

そして、全てのカンテの歌詞が作品の意図に合うものを考えて選んでくれる。



彼が素晴らしいアイディアを次々と出してくれる時、

無意識に両手を合わせて、拝むように聞く自分がいる。

そして、この言葉がぐるぐる全身を駆けめぐる。


  
  やっぱり、キミはスゴイのだ ☆☆☆


  そして、フラメンコは、絶対に貴方たちのものなのだ ☆☆☆


  
  貴方たちしかわからない、宝 なのだ ☆☆☆



どんなに外人が必死に学ぼうと、たとえアンダルシアの地に長い間、

外国人がスペインの人間と同じように過ごし、同じように生活しようが、

【フラメンコのカンテ】だけは、つまり、【フラメンコは】、

スペインの、アンダルシアの、フラメンコが歌い継がれてきた、

その土地で育ち、一生フラメンコと共に生きている彼らのものだからこそ、

彼らにしかわからないことだらけで、外人には決して手の届かない、

「憧れ」と、「実に羨ましい世界」なんだ、と

ダビの歌を聞きながら、たまらない幸せを感じながらも、

今まで何百回となく感じてきたことなのに、今回もしみじみと

外国人とフラメンコの距離、つまり、「現実」というものを改めて痛感してしまった。



だから、こんなに凄いフラメンコの文化に接する時、我々外国人は、

フラメンコに対して謙虚にならざるを得ない。

今回のリサイタルでも、準備段階から、素晴らしい宝に直に触れさせてもらって、

震えるほど感謝の気持ちでいっぱいになる。

と、同時に、「踊れてなんぼのもんじゃ・・・」と、

自分の存在がアホか、無のような気がする。

そこにたどり着いちゃったら、身も蓋もないので、まぁ考えない方がヨロシ。




明日も、フラメンコ以外、セビージャらしい事に出会えますように(^_-)-☆

また遅くなっちゃった。(スペイン時間の夜中の2時半)

おやすみなさい!



                                     9月25日
[PR]

by amicielo33 | 2013-09-26 09:27  

     今、私は・・・

マドリッドの滑走路に、ドドドド、ギュワン、ゴゴゴゴーーと

私の乗った飛行機が着陸した。

途端、機内にパチパチパチ!!!と、大勢の拍手。

よくある場面だけど、飛行機が無事に着陸すると、

スペイン人達は、無事着陸、無事帰国に対して拍手する。

実にカワイイ。



そして税関を通るとき、これもよくあるけど、税関のお兄ちゃんは

手元の机の上に、しっかりと携帯を置き、

その携帯に出ているサッカーの試合の結果と、その選手達について

となりに座っている別の税関のお兄ちゃんとの話しに集中している。



”外国人が、君の国に入ろうとしてんだよ、一瞬でも私の事見てヨ!” と

私は兄ちゃんをガン見した。

しかしお兄ちゃんは、チラリとすらも私を見ずに、

ボン!と入国のハンコを押して私をスペインに入れちゃった。

私がスパイだったら、どーすんのさ。



昨年の夏、グラナダのフェスティバルに出演するために

久々にアンダルシアに来たけど、昨年は出演を控えてテンパっていたので

長い間住んでいたセビージャの街に対して、心から懐かしさを

味わっている余裕がなかった。


でも、今年はたったの1週間だけど、セビージャに11月にする私のリサイタルの

音楽の打ち合わせをしに来たのだ。

舞台で踊る必要のない、まぁ出張みたいなものは、国内でも外国でも精神的に全く違う。

とにかく、精神的に落ち着いていられるのだ。

だから、どこにいても、何をしても、目につくことが楽しくなっちゃう。



着陸の拍手も、税関の、チラ見すらしないお兄ちゃんも、

実にスペインらしくて、なんだか可笑しくてニヤニヤしてしまう。

昨夜は、セビージャまでの乗り継ぎ便がなかったので、

マドリッドに一泊し、午前中にAVE(新幹線)に乗ってセビージャに来た。



そのAVEに乗った時も、ドイツ人の客が棚の上に大きなトランクを置いた。

でも大きいので棚からハミ出している。

すると、その車両に乗っているジジババ中心に、

 
 スペイン人おばはん: そのハミ出してるトランク、危ないじゃないの!

 スペイン人おっさん: 下の座ってる人の頭に落ちたら危ないじゃないか

 スペイン人じじばば3~5人: そーよ、そーよ、危ないじゃないか

 スペイン人じーさん: その2個手前の荷物をもうちょっとこっちに押したらいいんじゃ! 

 スペイン人じじばば3~4人: そーだ、そーだ、その通り!

  スペイン人おばはん: 棚に乗せるには荷物が大きすぎるからだ

  スペイン人じじばば3~5人: そーだ、そーだ、大きすぎるからだ!


(あのやり取りを、こうして書くと、

幼稚園か低学年の時にやった、学芸会用のお芝居の台本みたいだなぁ)



車両中のスペイン人に言われて、ドイツ人オッサンも必死に荷物を置き直す。

やっと、ジャストに荷物が収まった時には、そのジジババオッサンオバハン全員が


     アオラ、エッソ、 エソ、シ! エヤ 


そうそう、それなら大丈夫なのさ、(みたいな感じの意味)と言って、事は収まった。

 

その後も、AVEはコルドバ駅に停車し、そこで日本人団体ツアー客がたくさん降りた。

するとやはり、スペイン人ジジババオッサンオバハンは、いっせいに

”あれは中国人だ”  ”いや、日本人だ”  ”あれじゃぁ どっちかわからん”

”中国人か日本人かどっちかのアジアの人間だとアタシャ思う”

”うんにゃ、あの顔は日本人に違いない”



ったくーー!どっちでもいいじゃんか!と、聞いていてイライラしたけど、

彼らたちにとっては、日本か中国かの見分けが、毎度、興味津々みたいで

東洋人のグループがいたら、必ずこの会話が発生する。



スペイン人は、人がたくさんいる場所も、”他人が集まっている場所” 

という意識はあまりなく、誰が横にいようと、思う事を口に出して伝える。

私はこの習慣が好きだなぁ。

何てことない事ですら、みんな必死に討論するので、

くっだらな過ぎて、聞いていて本当にかわいくて可笑しい。



それより、今回のセビージャに来た最大の目的は、

舞台の作品内容にあったカンテを注文して、

そしてギタリストに音楽も作ってもらうので、非常に重要で貴重な時間なのだ。

彼らが日本に来てからだと、覚えなきゃいけない事が多すぎて、

本番に覚えたてのものをやって、作品の中に心がこもらない事だけは避けたい。

彼らも同じ意見で、心を込められないものはやりたくない、と言ってくれるので

その言葉に励まされて、思い切って、短い時間だけどスペインに来たのだ。



最近、「ブログを読んでますよ!もっと書いてください」、なぁ~んて言ってくださる方が、

実にありがたいことにいらっしゃるので、

毎日書かなきゃ、書かなきゃと思いながら、このところは広島やリサイタルの準備と

スペイン行の準備でごった返していたので、またまた間が空いてしまった。



セビージャにいる間、少しは時間が出来ると思うので、

出来るだけ書こうと思います!

でもまた夜中の2時になったので、これから寝ます!

おやすみなさい!


 
                                   9月23日
[PR]

by amicielo33 | 2013-09-23 23:59  

        前回の続きの前に「広島」

9月16日、大型台風が関東にも上陸し、とてつもなく被害を出した。

そして、まさにその9月16日、半年前から約束していた広島でのステージの日だった。

前日から台風情報に釘付けで、クラスの合間を縫っては台風情報を聞き、

明日は飛行機が飛ぶか、いや欠航になるかハラハライライラしていた。



しかぁぁぁし!!! 

私は以前に話したように、超晴れ女。

そして主催者である広島の岩田玲子さんも、超晴れ女。

超晴れ女が2人揃うとどうなる?

台風だってへっちゃらデス、タイフーが避けてくれマス、と言ってたら、

ホントーにそうなった。



離陸の時も雲と雨と風がポカっと空き、元気よくしっかり飛んだ。

私の乗った飛行機の後の便からは、全て欠航。

スゴイ!



広島空港に着く寸前は、ちょっと強風で機体が揺れたけど、

広島はすでにすんごい良いお天気。

広島以外、熊本、博多、山口、鳥取、岡山など、多方面から実に大勢の方が

ステージを観に来てくださり、本当に感謝感激でした!

岩田さん、準備から何から何まで大変だったのがわかります。

今回も本当に、本当にありがとうございました。



で、ステージも無事に終了し、事務仕事もなにもないので、夜はホテルで寝るだけ。

8時間という、私にとっては奇跡のような長い睡眠時間を取り、

朝、爽やかに目を覚ますと、雲一つない晴天。

おお、神様、晴れ女にしてくださって、本当にありがとうごぜーます。



ということで、出発まで1時間空き時間があったので、ホテルに荷物を預けて

地方に行くと私が必ずする恒例行事、「大好きなお散歩」をした。


しかし、ここは広島。

原爆ドームにご挨拶をしなくては!と急に思い、抜けるような青空のもと、

ドームに向かってザクザク歩いて行った。



いつもそうなんだけど、

「戦争にまつわる場所」に行くと、その土地から受け取る何かの強い力が

私の意とは違った事を必ず起こす。

今回も、原爆ドームを目にする直前から、呼吸がどんどんと苦しくなり、

まるで酸素のかなり薄い土地にいるかのような息苦しさが襲ってくる。

そして、戦争と原爆の悲惨さも、憐みも、

まだ何も頭で想像していないし、感情もわかないうちに、

普通に開いている目に次々と涙があふれてくる。

そして、この場所?なくなった人々?わからないけど、

「うん、わかってる、わかってるよ、そうだったのね」という言葉だけが、

なぜかわからないけれど、頭の中を駆け巡る。

そして呼吸が苦しい。


私は霊能者でないので、どうしてこの現象が起こるのか全くわからない。

でも、多くの死者を出した場所に行くと、

必ずこういう現象に襲われる。

でも、空を見上げると、抜けるような青空。

澄み切った、こんなに美しい青空のもとで、

地獄の時を経験した原爆ドームは、崩れた姿を残しながらも、

まさに、凛として、静かに存在していた。


広島のみなさま、本当にありがとうございました。


                                 9月17日


e0262970_111591.jpg

[PR]

by amicielo33 | 2013-09-17 23:59  

  カンテを聞く難しさ

新人公演が終わってから、フラメンコ・シティオ/アクースティカから、

新人公演についての評の書かれたものが届くので、面白いから読んでいる。

それらを読んでいて、納得いく部分も、う~ん、と思うこともあって、

それについて考えていたら、私からも、新人公演の事だけじゃなくて、

ちょっと書きたいと思うことがあったので、今回書くことにした。



まず、堀越千秋さんの批評が、スペインのフラメンコアフィシオナードの

目と耳で意見しているので、ついつい面白くて千秋さんのだけ読んでしまう。

それにしても、新人公演に出演する踊り手たちを、本当にイヤイヤというか、

心底、ウ~~~ンザリして観ている千秋さんの心がミエミエで面白い。



フラメンコを踊る日本フラメンコ界に対しての、怒りを通り越して、

正に、呆れ果てた心を、千秋さんの独特の言い方で、

バサバサ書いているので、ニヤニヤして読んでしまう。

ハッキリ言って、堀越千秋さんは日本フラメンコのバイレのお姉ちゃん達に怒っている。

観ちゃったら、ウ~ンザリするのがわかっていたので、観たくなかったはず。

でも、きっと立場的に、観なくちゃいけなかったんだろ~な。 思わずウフフ。



しかし、これに様々出ている意見は、私もホント~~~に、そう思うことが多いけど、

「これは、踊らない人には絶対にわからないでしょーヨ」

と思うことも、多々ある。



「カンテを聞かずしてフラメンコは踊れない」に関しては、

私も絶対に絶対にそう思う。

というか、当たり前の話。



でも、長年踊り手としてやってきた私からの経験で言わせてもらうと、

「カンテを聞いて踊る」という事は、もっともだけど、

本当にカンテを聞いて、本当にカンテを感じて、そのカンテに答える、という

至難の業は、正直、日本でフラメンコの振付を習っているだけの研究生には、

絶対と言っていいほど無理な話しなのである。




だからと言って、堀越千秋さんが言うように、カンテ歌えるようにならなくちゃと、

カンテ教室に通ったとしても、

(カンテに対しての興味や考え方がグンと変わるはずだからそれは良いけど)

スペイン語も、発音の仕方もわからない人が、そしてアンダルシアならまだしも、

日本の、フラメンコのコンパスが一切存在しない土壌で、

カンテを習ったから、カンテを聞いてフラメンコが踊れるようになります、とは

絶対に、絶対に、ぜぇ~~~~ったいにならない。

これは、決して堀越千秋さんに言っているのではなく、

日本の踊りの研究生に対して言っているのだ。




と、自らちょっと盛り上がったところで!

このブログをクラスの後に書いているので、また夜中になってしまったぁぁ。

明日、歯医者さんの予約が早い時間に入っているので帰って寝なきゃ。

続きは、またすぐに書きまぁす!




                                      9月12日
[PR]

by amicielo33 | 2013-09-12 23:58  

          ビ~ックリ!

前回のブログを書いてから、新人公演の本番があり、

本番が終わってから、すぐにリサイタルの準備の事務仕事が死ぬほどあり、

毎日クソ忙しくて(汚い言葉でお許しを!)、ブログを開く暇すらなかった。


とまぁ、思っているうちにどんどん日にちが経ち、さすがにいかんなぁ、と思って

久しぶりにブログを開いた。


で、、、、あたしゃ驚いた!!!

私の、こんなくっだらないブログを読んでくださる人が、ドヒャ~!と増えているではないか!

ドキドキドキドキ・・・

何で?! 何で?! 何で?! 何で?!

何で、急に閲覧数が増えてるの???  ドキドキドキドキ・・・ なぜか心臓がドキドキする。
 

も・し・か・し・て・・・ 新人公演の奨励賞のせい???

まさかねぇ。。。


とまぁ、原因を考えてもわからないので、とにかく書きます。

そうです、新人公演についてです。



去年に続いて、奇跡が起こった。

今回は、本当に本当に、心底ビックリした。


受賞はあり得ない!と固く信じていたので、

27日新人公演の最終日の、審査となる夜ですら、完璧に頭から消去されていて、

クラスの後、自分の踊りの猛練習をして、

23時からNHKで放映している「トンイ」を見るために、自転車で猛ダッシュして帰宅。

審査の「し」の字も頭になく、トンイ~!頑張れ!などと叫んでいる時に、

受賞の連絡をいただいたのだ。

ひぇ~~~~うそだぁぁぁ! としか思えなかった。



と、ここで今回の新人公演のリハサールの時に話を戻しまする。


実は、今回はリハーサルから心配事がたくさんあった。

心配事その1

この作品の中で重要な役割を持つ、白い衣装を着た羽を意味する3人組がいるのだけど、

その3人は、曲中、舞台の上手に一度引っこんで、

下手から直ぐに出なくてはいけない場面があった。

タンゴの早いテンポで5コンパス。 5コンパスといえば、約15秒。



私の計算では、舞台一番奥(ホリゾント)の裏を走り抜ける、と計算して振付た。

しかし、中野ゼロはホリゾント裏が照明器具で走り抜けが出来ず、

結局、一度舞台を出て、楽屋の廊下を走りぬけて、舞台に戻るということしか出来なかった。

その距離、約40m強。

しかし、40mの直線ではなく、舞台上から袖幕を走り抜けて直角に曲がり、

舞台袖の広場を抜けて直角に曲がって廊下に出て、

ツルツルの廊下を走り抜け、直角に舞台袖の広場に入り、直角に袖幕から走りこんで

ポーズをとらなくてはいけない。

案の定、リハーサルでは、全く間に合わず、叫びを意味するもう一つの5人組も

走りこんで踊る箇所があるのだけど、それも当然間に合わず。

リハはグデグデ。生徒達の心配も膨れ上がる。



心配事その2

前後で、派手な生演奏のフラメンコをガンガンやっているので、

私の頭の中では、私のグループは群舞の最初だし、CDで踊るフラメンカでない踊りなので、

ある程度、お客さんも審査の人も、引いて観るだろうと、計算していた。

でも、実際リハーサルで会場にいると、

「とんでもなく、お客さんはドン引きする可能性が高い」と思ったのだ。

あ~~~生徒たちに申し訳ない事をしたかもしれない・・・と、

心配度がどんどん上がっていく。


心配事その3

曲が短すぎたかも?

使用したドランテの曲は6分弱。

フラメンコの人たちは8分も踊るので、

私の群舞は、踊りのタイプの存在感が薄いうえに、短い曲を選んでしまって、

あ~~~生徒たちに本当に申し訳ないことをしてしまったかも・・・と、

心配度はマックス近くに。



大失敗のリハーサルから、あっという間に本場になる。

そして、そして、やっと私の生徒たちの番になると。。。


なんせ今年使用したドランテの曲は、休むことなく一挙に終わってしまうので、

曲中、こっちも休めずに、抱えていた心配事がバケツリレーのように次々とやってくる。



行け行け! 走れぇぇぇぇ~~~~!

うぉー間に合った!よっしゃ!そう!上へ、伸びて!よっしゃ!

ああ、ついに来た!この場面、走れ、走れよ!あと1コンパス!あと半コンパス!

間に合うか!間に合う!?うああああああ!間に合った!よっしゃ!よくやった!

いいぞ!うわ!みんな一挙に一つになった!行け!そうだ!叫べ!叫べ~~!

バクハツ!訴えろ~!みんなの気持ちだ!そう!そうそう!伝わるよおお!!!

こっちに痛いほど伝わってるよおおお!最後まで行け!行け!行けーーーー!!!

(なんだか競馬とか、ボクシング中継タイプだなぁ)



スタートした瞬間から、私の心臓は、洋服の上から見ていても、

ハッキリわかるくらい、ドキドキドキドキドキドキ

手も足もなぜか震えて、ブルブルブルブル 

おまけに手足が氷のように冷たくなっていく。 

6分間、ほぼ無呼吸。 

終わった時は、激しい精神的疲労でほぼ瀕死状態 (◎_◎;)




私の緊張とは裏腹に、彼女たちは本当に素晴らしかった!

一番問題な、羽の白3人組の駆け込みも、

ウサイン・ボルトとほぼ同じスピードで走り抜け、奇跡的に間に合った。


この間に合うか、間に合わないかが、彼女たちにとっては最大の問題だったので、

すでに舞台上でポーズを取って待っていた叫びのチームは、

走りこんできた3人を見て、(超軽いMちゃんは舞台上で感激して泣いたとのこと)

「間に合った!」という感激で、ここで一挙に群舞の気持ちがMAXに。

グワーッと、彼女たちが一つの炎になったのだ。



2階から見ていた私に気持ちを投げつけて、と言ってあったのだけど、

十分に、本当に十分に彼女たちの想いと叫びが伝わった。

「ああ、彼女たちは最高の踊りをしてくれた!」と胸がいっぱいになった。


しかし!想像していた通り、二階席から聞こえる、彼女たちへの拍手は、ひじょーに

少なく聞こえ(ワッと拍手出来ないように、わざと最後をそう振り付けたのは私が悪い)

お客さん達は完全にドン引きしてしまったように、2階席からはそう見えたので、

私としては、「あ~~~!生徒たちに申し訳ない事をしてしまった!」と思えてしまい

あんなに素晴らしく踊ったのに、こんな結果にしたのは私のせいだ、、、と

ばかり思いながら、後に続いて出演するグループをボンヤリ見ていた。



直ぐ後に聞こえてくる、フラメンカな歌やギター、そして、こってりの振付。

最後まで、フラメンコフラメンコしていて、

「ああ、このフラメンコイベントで、あの振付を発表したのが間違いだったかもしれない。

生徒たちは最高の踊りをしてくれたのに、悪い事をしてしまった」と、

そればかりが頭にあって、生徒たちの顔を見るのが申し訳ない気持ちでいっぱいだった。



作品内容に関しては、私はちゃんとしたものを作った、という自信はあった。

生徒達は、私が伝えたい事をしっかり理解して、必死についてきてくれた。

だから、振付側の私も、イメージが次々と湧き、落ち着いて納得しながら

振り付けることが出来たのだ。

だから、作品創りを助けてくれた生徒達に心から感謝している。

ただ、「この作品を受け入れてくれる場所」で、発表するべきだったんじゃないか、と。


 しかし・・・

奇跡が起きました。

フラメンコ協会の審査の方々、本当にありがとうございました。

そして多くの方から、たくさんの感激のメールをいただき、

本当にどうもありがとうございました。

私の生徒達の心の叫びを、しっかりと受け止めてくださいました。



最後に、地方に住んでいる私の生徒からいただいたお花の写真を載せまぁす!

舞台が終わった直後に、彼女は「これは奨励賞ではなく、芸術賞です!」と、

彼女の名前の賞を作ってくれて、今回の作品のように、羽が飛び立つ

イメージのお花を彼女の地元で注文して、わざわざ送ってくれました。

本当に本当にありがとうございました!感動でしたヨ~!

e0262970_20886.jpg




                                   9月3日
[PR]

by amicielo33 | 2013-09-03 23:59