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  芸術家たち

春~!!!

やっと春になってきた!!!

待ち遠しかった満開の桜を目前に、今、ところどころで満開になりつつある

木蓮(モクレン)の花も目に入ってくる。

私は白のモクレンが大好きだ。

つぼみの先が、必ず北を向くそうで、「コンパスフラワー」と呼ばれているそうな。
(ネットで見て今、知った!)


白モクレンは、とにかく品がいい。

純白のビロードで身を包み、春の青空にデビュー出来る時を、

もういい?もうお花を開いていい?と、身をよじって待つ乙女のように見える。

そして、本当にあっという間に純白の花をパカッと全開し、

木、全体がモッコリと雪に包まれたようになり、

そしてあっという間に満開が終わり、純白の乙女たちはフニャリとバアサンになってしまう。

世の中、美しい時は本当に短い。。。


ところで、先週の土日は、ずっと楽しみに待っていた、

Eva La yerbabuena の舞台を2日間見に行ってきた。

初日は、きっと彼女のコンディションが今ひとつよくなかったのか、

エバを知る人にとっては、ちょっと物足りなかったと思う。

でも、アーティストも人間。

本人はもちろん舞台の上でべストを尽くすけれど、

全てがベストに出来ることなんて、人間である故、そう簡単にはいかない。

なので、「わー!久しぶりのエバのフラメンコだぁ!」 と、

お客としては、ご無沙汰していたエバの姿に感激しながら、初日の舞台を観た。


そして2日目。

さすがさすがさすが。

やはり、Eva La yerbabuena でした。

彼女が踊っていると、彼女を見ている自分の視覚と対等に、いや、それ以上に、

カンテが圧倒的に聞こえてくる。

ということは、どれだけ彼女がカンテを踊っているか、という事だ。


‶ ああ、ここは(カンテの部分)、エバ、貴方はそう感じるのね。。。”

‶ そうそう、今、貴方がカンテに対して感じている事が痛いほど伝わるよぉー”

‶ おお、ここは(カンテの部分)、そう答えますか!(カンテに対して)”


などなど、エバのカンテに対する感覚に、時に共感し、時に驚き、時に泣かされ、

そして心を揺さぶられ続けた。

そして、エスコビージャの部分になると、まぁなんと、リンピオな足音!!!

力の抜けた、でも本当に美しいサパテアードの音から、

「サパテアードによる音楽と彼女の言葉」 が聞こえ、

エスコビージャの展開から、彼女の心の訴えが、見事に力と相まって

見ている人たちの息をも止めてしまうような、起承転結に結び付ける。

お見事!


今回は、生徒による闇ルートで(笑)舞台にうんと近い、スンばらしい席に座れたのだが、

それで余計に、彼女の身体使いを見る事が出来た。

彼女の動きは、全てが「解放」だ。

あの舞台での彼女の動きを、100と例えて、

85くらいは、全て解放で踊っていると思う。

あとの15は、力の絞めと緊張。

だから、あの小さな体で、あれほどの舞台空間を全て使いこなせるのだ。


舞台の後に、トークショーが2日間ともあったけど、

ここでもエバの謙虚さと誠実さが、言葉一つ一つに現れ、感心させられた。

そんな中、観客席からの質問で、一人のフラメンコ練習生が、

「エバの舞台を観た後、自分がフラメンコを踊るということに対して

あまりにも申し訳なさ過ぎて続けることができない気持ちになるので、

”続けていいのよ” という、許可の言葉をくださいませんか?」、と言った。

まぁ、その彼女も、なんと謙虚で可愛いのォォ~、と思わず笑っちゃった。

(そういう謙虚さがある人は、フラメンコから向かってきてくれるし、必ず成長する!)

彼女の気持ちが痛いほどわかる。

それに対してエバは、もちろん続けてという、励ましの言葉を言ってから、

何気にこう締めくくった。

「貴方たちは貴方たちの方法で続けてください。

私たちは、私たちの方法で続けますから。」 と。 

(私は、この言葉の裏を思わず考えた!)


最後になっちゃったけど、カンテも最高でした。

恐ろしく大昔、1989年セビージャ万博の時に、私が日本とアンダルシアパビリオンで

踊ることになった時、今回のエバの舞台で歌っていた3人の中の一人、ホァン・ホセは、

その時代からカンテの上手さはもちろんだけど、私は彼の声が大好きで、

でもその当時、フラメンコをよく知らない未熟な私には、彼に歌ってもらうなんて

あまりにも恐れ多いお願いだったけど、でも憧れの彼に何としても歌ってもらいたくて、

必死にお願いし、そしてステージで彼のカンテに感動してトリハダで踊った思い出がある。


エンリケは、ものすごいパワーで歌うし存在感があるので、歌い手のバリエーションとしては

彼の存在は不可欠だし、もちろん素晴らしいんだけど、、、正直、私は毎度、

繊細さが一切ないカンテだよなぁ、、、と思ってしまう。(ゴメンなさい!エンリケ!)


ホセ・バレンシアも素晴らしかった!

ホセはどんどんカンテがうまくなっているし、今回の舞台のラストに歌ったカンシオンは

(エバは赤いマントンで踊った)、ホセが全身全霊で歌ったので、

エバもそれに全て答え、見ていて、愛おしくて胸がキュンキュンしてしまった。


いやいや、今回も本当に本当に素晴らしい、エバ のフラメンコでした。

踊りが凄すぎて、作品の内容は途中で忘れてしもうた。



と、突然、話しが変わるけど、(なかなか終わらないブログでスンマセン!)

水曜日から、フィギュアスケートの世界選手権が始まった。

初日から、ソチ金メダリストの羽生くんの事ばかり報道するけれど、

私は初日のショートで1位になった町田樹くんの「エデンの東」に、心から感動してしまった。


みんな、町田くんの髪型が好きじゃない、とか、

演技し終わった後の挨拶がクサ過ぎるとか、いろいろ言うけど、

私は彼を、芸術家だと思っていつも見て、いつも応援している。

ショートプログラムで1位になった、あのエデンの東は、技術の事はよくわからないから

ジャンプやステップはもちろん完璧だったんだろうけど、

特に、彼の作品に対する感情表現、作品への愛と想いがひしひしと伝わり、

その想いを伝える、一つ一つの動きと技術が実に美しく、

本当に、芸術家としての演技だったと思う。 振付も美しく、完璧。


演技の後、完全にエデンの東の中に心が入り込んでしまっていて、

観客の声援にもなかなか反応しなかったし、お辞儀の仕方がクサく見えたかもしれない。

でも、あれは、心が作品の中に完全に入り込んでいたから、だと思う。

あれだけ集中して心が入り込める、というのは、そう簡単には出来ない。

彼の哲学と芸術性で、これからもっともっと頑張ってほしい。

(彼のエキジビションで、片手が血に染まった作品と、

マジメ学生が夢の中に入り込むのも大好き!)

今日のフリーも、頑張ってほしい!!!


てなことで、、、


フラメンコでも、タブラオのおねーさんになるか、フラメンコダンサーになるか、

フラメンコを芸術家として踊るのか、、、


そしてフィギュアスケートでも、

競技者になるか、アイスショーのショースケーターになるか、

フィギュアスケートを芸術家として演じるのか、、、


この違いを出せるのは、全て、その人の持つ知識の量と、

最終的に自分がたどり着きたいと思う、目指す到達地点によって、

変わってくるものだろう。


いずれにしても、芸術家になるには、、、、

人の心を強く揺さぶれるまでの感性と、

天才、もしくは才能がなければ、、、難しい。 


今世は手遅れなので、ワタシが次、生まれてくる時は、

世界中の人がのけぞる、すんごい芸術家になるぞ~! ウォー!066.gif 



                              3月28日

by amicielo33 | 2014-03-28 13:17  

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