「ほっ」と。キャンペーン

   忘れられない凄いコンパス

もう本当に大昔の事なんだけど、

私がセビージャ在住真っ最中の1992年に、セビリアで世界万博が開催された。

あの小さな町で、あの世界万博が開催されるとなると、

セビージャの、チビッ子からジジババまで世界万博で盛り上がりまくり、

特に夏場は、夜の10時くらいから明け方4時くらいまで、

地獄の暑さが一機に下がるので最高に気持ちイイ時間帯なのだ。

だから、ほとんどのセビージャの人はフリーパスを購入し、

毎夜、万博に足を運んで、夕涼みを楽しみ、

私なぞは、毎夜開催されていた最高のフラメンコショーに入り浸っていた。



それで、なぜか幸運にも、

私と男性舞踊手の松本良くんとで、日本パビリオンとアンダルシアパビリオンで

踊らせてもらうことになり、

今、考えるだけでも恐れ多く、よくまぁあんなスゴイ人たちにバックをお願いしたと

冷汗が出てしまうほどの、すごい方達の伴奏で踊らせていただいたのだ。



今の時代のフラメンコ研究生たちは知らないと思うけど、

昨年12月に亡くなった、あの偉大なギタリストの「Ramón・Amador」

そしてもう一人の、”どフラメンコのギタリスト”「Carlos・Heredia」(2001年没)

歌い手に、スペインのトップの踊り手たちのバックを務めていた「Juan・José・Amador」

そして、唯一のスペイン人で、大ベテランの歌い手「Juan・Reina」

この、恐ろしき4人のアーティスト達に、ヒヨッコだった私達の伴奏をしてもらったのだ。


アンダルシアパビリオンの控室にて
左:ラモン・アマドール、中央:カルロス・エレディア 右:ホァン・レイナ
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中央:私と松本良君
 













 
若い!歌い手の
ホァン・ホセ・アマドール








(これから言う事、エラそうな言い方に聞こえたら本当にごめんなさい!
でもエラそうに言ってるのではなく、経験談です!)

今日まで、素晴らしい実力のあるスペイン人のアーティストの方々に

伴奏して踊らせてもらえた経験を、数えきれないほどしてきたけど、

あの万博で味わった、「これぞ、筋金入りの本物のコンパス!」という感覚は、

今までで一度だけの経験なのだ。



このコンパス感って、

直径10mくらいの、巨大で、とても分厚くて丸みのある、

黒い鉄で出来た「鉢(はち)」のようなものを、

この4人が、四方から体感で完璧に支え続け、

その鉢の中では、丸くて、心地よく弾み続けながらも、

絶対に、絶対に、絶対に、狂うことのない

恐れ入るほどの安定感のある、深いフラメンコのコンパスが

4人から放出され続ける、、、そんな感じ。



なので、踊り側の感想としては、一言。

踊っていて「楽ちん~~~~!!!」なのだ。

全員の両手の中で、完全に安心してお任せて踊らせてもらえる。

こちらが全力を出したら、彼らがさらに何十倍もの強さで

盛り上げ、そして絶対なる安定のコンパスで、

ガッツリと頂点に一緒に行ってくれるので、

ホント、踊る側としては最高に気持ちよく、こんなにありがたい事はないと思った。



今の時代の若いアーティストの演ずるものは ←ババア的発言

とにかく音数が多く高度な技術が満載なので

昔のようにシンプルな、独特の安定感と威厳ある深いコンパスで

歌、ギター演奏、パルマをするアーティスト達が少なくなっている気がする。




このようなバックは、ありがたいことにYouTubeなどで昔の資料が山ほどあり

いつでも見られるので、ぜひ見て聞いていただきたい。

いきなりカンテの人を言っても、フラメンコ研究生の人達は

全くわからないと思うので、

1980~2000年の女性の踊り手で、(私が今、この場で思い付く人たち)

Concha Vargas, Manuela Carrasco, Carmen Ledesma, La Farruca、etc

この彼女たちのバックで必ずガッチリコンパスを支えている

Curro Fernandez, El Boquerón, Enrique El Extremeño, El Bobote, Juan José Amador,

Ramón Amador, Joaquín Amador, El Moreno,

などなど(まだもちろんもっと他にいるけど)、

あんな凄いコンパスの中で、再び踊らせてもらえることが出来たら、

さぞや幸せだろう、、、、と、よく思う。



あんな昔だけど、万博で味わった、あの深くて、絶対なるコンパス感を絶対に忘れない。

録音も、映像記録も一切残っていないけど、

体感ではしっかりと、受け身の立場として覚えている。

もちろん、自分ではそんな大それたコンパスなんぞ、発することは出来ない。

でも、ずっとスペインの昔のいいカンテやバイレに触れていたら、

ちょび~っとだけは近づけるかもしれない。

とにかく、「昔のスペインのフラメンコを絶えず意識する」ことが大事なのだ。

さぁ、ここでも「原点に戻って」!

しつこく言うけど、、、

やっぱり、昔のフラメンコ、たまらなくイイなぁ。


                           1月15日






















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# by amicielo33 | 2017-01-15 19:43  

   原点に戻って

3日前の1月6日に、タブラオ・エスペランサで毎年行われる、

恒例の新春ライブの初日が終わった。

この新春ライブには、まだ私がスペイン在住の頃、

スペインと日本を行ったり来たりしていた時代の

2003年から毎年欠かさず出演させていただくようになって、

数えたら、、、今年で15年目!になるではないか!

今、指で数えて、エッ!と叫び、ジワッ!と冷汗が出た。

15年なんて、、、0歳の子が15歳になることで、

アタシ、すごいババアになってるじゃん。




実は、昨年から自分に対して、強い反省点と同時に、ハッキリした目標を持っている。

それは、「フラメンコの原点への回帰」。

いつも、舞台で踊り終わった後に自分に痛烈に感じる、

「フラメンコと自分の距離」。

スペインのフラメンコに直接触れるチャンスから遠ざかっている日本の生活で、

自分に足りないもの、そして、自分に必要なもの、

これらと向かい合って、それを解決するために何をすべきか、

ずっとずっと考えていた。



そして、今のバイレフラメンコの流行で、「最高技術満載の踊り」が称賛される中、

それらに全くフラメンコを感じない自分は、

何を自分の軸として、ブレずに、フラメンコを踊りで表現できるのか、

これについても、ずっとずっと考えていた。



そこで、ハッとさせられ、カッと身体が熱くなる、

そんな感覚を甦らせてくれたのが、

「フラメンコの原点に戻ること」だった。



私がセビージャに住んでいた頃は、まさにフラメンコの黄金期で、

スペインのアーティスト達から発するフラメンコは、

混じりけのない、純100%の純金の塊り、

飾り気なしの真っ向勝負、

そして屋久杉のような、誇りと威厳に満ちて

大地から堂々と生えている太い幹のような、

そんな、濃くて深くて強いフラメンコだった。



それを、目の当たりに見て、聞いて、

どれほどの激しい感動をもらえたことか。

自分にとって、一生の、最高の宝物。

その宝物を、決して忘れてはいけない。

あの時代の、あのフラメンコの感動を、決して忘れてはいけない。

そこに戻って、本気で取り組まなくては!

と、強く、強く思うようになっていったのだ。




そしてちょうど、新しい踊りも作らなくてはいけない時期だったので、

その初披露として、新春ライブにタイミングを合わせて、

昨年の10月から「タラント」を作り始めた。

私の一番の好きな踊りがシギリージャ。

その次がソレア。

この二つだけで十分幸せなんだけど、2拍子系を持っていないのも恥なので、

2拍子で重みのある、タラントにしたのだ。




このタラント作りには、ほんと~~~~に時間をかけた。

一つ一つの動きや音に、

これはタラントにふさわしいかどうか、を考えて考えて考えまくり、

踊りの流れも、これでいいのか悩みまくり、

タンゴになってからも、タラントの中でのタンゴになっているのか、

考えまくり、悩みまくり、

結局、12月末までの3ヶ月もかかって、ようやく作り上げた。



私は、創作が始まると、日々、他に何も手がつけられない状態になり、

クラスの仕事と食事と睡眠以外の時間は、

土日も一切なく、ほぼ全て、創作の時間になってしまう。

スタジオにずっとこもって、ずっとアレコレ考え、悩みまくっても

全く苦とも思わず、永遠と、創作に没頭する。

自分で、これは一種の病気なんだな、と自分で思ってしまう。



こうして、ほぼ95%、自分で納得できるタラントが出来上がった。

自分では納得していても、

でもこれが、第三者の目と耳で、原点に近いタラントになっているかはわからない。

とにかく、このタラントを今年は、舞台でしっかりと踊り込んでいこうと思う。

まずは、新春ライブ。

21日と22日が残っている。

ありがたいことに、既に満席・立ち見とのこと。

3月には小松原庸子先生の舞台でも踊らせていただける予定だ。

お客さんに、タラントを感じていただけるように、

全身全霊で踊ろうと思う。



人生の宝物である、「スペインで得た原点のフラメンコ」に

常に目を向けて、

今年も頑張ろうと思う。


                           1月9日

















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# by amicielo33 | 2017-01-09 17:39  

     新年あけましておめでとうございます

ずっとブログを書けずに、新年を迎えてしまいました。


   新年明けましておめでとうございます。


決して、ブログを放置しているわけではなく、

書きたい、書きたい、と思いながら、どうしても落ち着いて書く時間がなく、

おまけに Facebookを始めちゃったから、

それに少々振り回され、

なんやかんやで今日に至ってしまいました。


1月6日に、第一弾の新春ライブが終わるので、

それさえ終われば、少し時間が出来るので、

書きたいと思います。

どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

今日が仕事始め。

今年も頑張らねば!!!


                      1月4日



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# by amicielo33 | 2017-01-04 21:52  

        Facebookにふりまわされた1ヶ月

ずっと断り続けてきたFacebookだったけど、

1ヶ月前に、バッタリと超久しぶりに会ったスペイン人アーテイスト(オトコ)に言われた。

「AMI!生きていたのか?

今の世の中、特にアーティストたちは、Facebookなしでどうやって生きていくんだ?

一日も早く始めないと忘れ去られるゾ」 と。



さすがにこの一言は、ズシッと心に刺さり、

やっぱ始めないと、世の中から完全に忘れられるんだとミョーに納得し、

それでイヤイヤながらも、ついに始めたのだ。


わからない事ばかりなので、こういう事にやけに詳しい生徒達や友人たちから

詳しく教えてもらって、死にもの狂いで内容を書き入れて、

やっとこさスタートラインに立った。

でも、Facebookの中の、自分はどこにいて、何を見ているのか、

この友達とやらはいったい誰なのか、

何もかもが、よくわからず、

へんなところを押して、突然、いろんな人から連絡が来て焦りまくったりして

冷汗かきながら最初の半ヶ月を過ごしていた。



そうこうしているうちに1ヶ月が経ち、

なんとなく慣れてきて、どういう仕組みか、どのように付き合えばいいのかがわかってきた。

そして、(もう)ハッキリと答えが見えてきたのだ。


やっぱり、私はこういう事は苦手だぁ~~~、ってこと。


もの凄いスピードで毎日毎日、色んな人のニュースやお知らせが大量に入ってくる。

それはそれで、誰が何をしているか、わかっていいんだけど、

”じっくり向かい合って、とことん理解できるまで話を聞きたい” と、

何ごとにおいても、「時間をかけてとことんタイプ」の私には、

携帯やPCの画面にすごいスピードでバンバン入ってくるお知らせに追い付いていけず、、、

実は、もう疲れちゃって、見るのが億劫になっている。

もちろん、多くのスペインのフラメンコアーティスト達が載せてくれる

生のフラメンコや、超懐かしの貴重なフラメンコ映像を毎日、

思う存分見たり聞かせてもらえるのだけは、心から感激だし、

ここで、Facebookという存在に感謝したいと思う。

でも、昔は、こういう貴重なものを求めて、スペインで苦労して苦労して探し求め、

やっと出会えた時の喜びと感動は、Facebookで1秒で知る事のできる感動より、

1000倍の感動に値するものだったっけ。



とにかく、多くの人がFacebookやってても、私みたいな人もきっと多くいるはずだから、

これからはこういう人達を見習って、

気が向いた時だけ、そして必要な時だけ利用させてもらって、

そして興味のある事はありがたく拝見・拝聴させていただいて、

新しい世界と、つかず離れずの距離をうまく保っていこうと思う。



って、今日は本当は、別の事を思い切り書きたかったのだけど、

Facebookの事を書き始めちゃったから、

こんな変な文章になっっちゃった。。。 あ~~あ。

とにかく20016年の11月はFacebookに振り回されましたぁ。


                         11月30日











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# by amicielo33 | 2016-11-30 21:27  

   私の大好きな堀越千秋さん

堀越千秋さんが、今朝、天国に逝ってしまった。

偉大なる画家であり、陶芸家であり、そしてフラメンコの特別なアフィシオナードだった。

私の大好きな、大好きな、大好きな、堀越千秋さん。

ガハハハと大きな声で笑う、千秋さんの顔と声がいつでも目と耳に甦る。

アーティストとして、そして人間として、人々が彼を身近に親しめ、

そして惚れ込む魅力を持つ千秋さんだった。



私がスペインに留学して、最初のマドリッド生活の頃、

少しでもお金はレッスン代に回したいので、

食費はケチりにケチって、まずいパンをかじる毎日で、

和食、そして白いご飯を食べるなんて夢の夢だった。

そんな時に、なぜか千秋さんが現れて、

私に、「白い飯?そんなもんも喰ってないの???

それじゃあダメだよ。白い飯、一緒に喰いに行こうよ」と言って、

初めて日本食屋さんに連れて行ってくれたのが、千秋さんだった。



それからは、千秋さんの話が面白くて、興味深くて、人間的に実に魅力的で、

時間さえあれば、マドリのティルソデ・モリーナにある、千秋さんのアトリエに

いつもいつも遊びに行っていた。

そして、いつもいつも、芸術についての大胆な発想や、芸術感を聞かせてもらい、

いつもいつも、フラメンコについてのお叱りを受け、

いつもいつも、アグヘータ一族についての話を聞かせてくれ、

時には、アトリエに遊びに来たアグヘータの生カンテで踊らされたりしたっけ。

             
 まだ二人とも若い!
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私がセビージャに移動してからも、千秋さんはアグヘータに会いに、

頻繁にセビージャ、へレス、ロタに通っていたから、千秋さんに会う機会がよくあり、

そして千秋さんがいる所に、日本人もヒターノ達もみんなが自然に集まってきた。

そんな、実に魅力的な人だったのだ。



私が日本に戻ってから、千秋さんと会う回数は減ってしまったけれど、

会わなくても、いつもいつも、会いたいなぁと思う人だった。

そう思っていたら、四谷駅の改札でバッタリ出くわしたりして、

私が「千秋さんに会いたいと思ってたら、会っちゃった」と言うと、

「え?そんな事思ってくれてんの?ホントかよ。うっれしいねぇ~」

ガハハハハと、人々がビックリするくらいの大笑いをし、

「個展やるから、嫁の親にその金をせがみに四谷に来たんだけどさ、

ここでアミちゃんに会えたから、金はあきらめてその辺で飲もうや」

と、いつも豪快かつグラシオソな千秋さんの言動に笑わされた。



もうちょい年を取ってからの記念写真!
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千秋さんを知らない人が、「堀越さんてどんな人?」と私に質問されたら、

「大~~好きな人!」と開口一番に言って、それから千秋さんについての説明は止められない。

私にとって千秋さんは、大海原のようなイメージの人で、

いつもガハハハと笑いながら、両手を広げて、その腕の中にいる我々を見ている、

そんな、大きな器の、ダイナミックな男性なんだけど、

でも女性には実に優しくて、信じられないくらいにマメで(笑)、

女性から見ると、実にチャーミングでかわいい男性だった。



そして、、、

私はずっと長い間、”堀越千秋に認めてもらえるフラメンコ” を

いつの日か必ず踊ってやる!と、私の心の目標にしていた。

どれだけカンテが重要で、カンテわからなきゃフラメンコなんて踊れねーと、

昔はよくお叱りを受けた、そのお叱りが、どれだけ私の中で肥やしとなり、

一生かけて達成しようと思った、私のフラメンコの最大の目標となったことか。



千秋さんは、2013年に大腸癌が見つかり手術をして、その時点でステージ4だったとのこと。

そしてお医者さんや周りの方々に再三にわたり、抗がん剤の治療を勧められたのに、

断固として拒否して、

「こんなものを飲んだら絵なんか描けない」と言ったそうだ。

そして昨年12月に癌が再発し、食事療法なども試みたけれど、

それまで以上に仕事に没頭したそうだ。誰にも止められない程鬼気迫るものだった、とのこと。

9月に熱が下がらないまま、アルタミラの洞窟の取材の仕事でスペインに行き、

そのまま最後の場所にスペインを選んだ、、、と、

千秋さんをずっと支えてきた彼の大切な親友に、この事を教えてもらった。

でも、今は、癌の痛みと苦しみから解放されて、

天国でまた、大好きなへレスのシギリージャやソレアと共に過ごし

思い存分に絵を描いているのだろうと思う。



堀越千秋さん、いつもペラッペラのシャツとステテコみたいなのを、

場を選ばず、どこでも平気で着てたのに(笑)、

中身はダンディーで豪快で、最高にチャーミングで素敵な人でした!

大海原のような堀越千秋さん、本当に魅了的な人でした。

どれほど、千秋さんを通して、「人間」を学ばせてもらった事か。

私も千秋さんをよく知る人達全員が、千秋さんの人間性に惚れ込みました。

永遠に、千秋さん、大好きですよ!

私も頑張って天国に行けるようにするので、

また会えるのを心から楽しみにしてますね。

                           11月1日
















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# by amicielo33 | 2016-11-01 23:47